パソコンやテレビ・タブレットなど、インターネットを利用するには必ずと言っていいほどlanケーブルをモデムと接続しないといけません。このケーブルは1989年にオーストラリアのIT企業で開発されましたが、先端部の接続部分が非常に小さく、少しでも力を加えてしまうと折れる性質があります。この性質は開発当初から変わっておらず、日本人にとっては若干不自由を強いられるでしょう。もの作りを得意としている日本では、lanケーブルをワンクリックで簡単に取り外せるアイデアを発明させました。

それが「ワンプッシュケーブル」というもので、国内の大手OA機器製造メーカーが2005年に開発・販売をしています。これまでに約10万セットを売り上げる大ヒットとなっており、ワンクリックの取り外し箇所は国際特許を取得したほどです。既存のlanケーブルだと先端部分に弱いバネが取り付けられているだけです。この箇所をワンクリックでは二重構造の大きなつまみとなっており、力が弱い女性や高齢者でも親指だけで取り外せます。

特許を取得したアイテムなので、ほかのメーカーでは同じアイテムを販売することはできません。ただし、2022年にその特許が期限満了となるので、以降は色んな会社からワンクリック対応のlanケーブルが販売されるでしょう。ケーブルそのものは高い耐久度を誇っているものなので、断線する心配はありません。末永く使える工夫をしたものといえます。